どんな課題意識から、この取り組みは始まったのでしょうか。
私たちは銀座でアーユルヴェーダサロン『THE HUNDRED WELLNESS SALON』を運営していて、お一人おひとりの体質に合わせたパーソナルな体験を提供しています。ただ、その体験を支える情報——施術中の会話や体調の変化——が、紙のメモやExcelに分散していて、活かしきれていませんでした。過去の記録を探すだけで時間がかかる。施術後のフォローも手作業で、どうしても"言いっぱなし"になってしまう。
施術の会話データを資産にして、業務効率とお客様の満足を両立できないか。それを模索する中でSperiaと出会い、アーユルヴェーダの知恵と音声AIカルテを融合させる"ウェルネステック"の共同プロジェクトが始まりました。
AIカルテは、現場でどう機能していますか。
施術中の会話がリアルタイムでテキスト化・構造化されていきます。細かなご要望や体調の変化まで蓄積されるので、カルテの情報密度は従来の数倍。それでいて入力時間は1/5に短縮されました。
効いているのは引継ぎです。前回の体調や使ったハーブをすぐ確認できるので、スタッフが交代しても品質が落ちない。新人や交代スタッフでも、1分の確認とAIへの質問で施術履歴と注意点を把握できます。以前は記録を探すのに時間がかかっていたのが、AI検索で即抽出——検索時間は80%減りました。
お客様へのフォローはどう変わりましたか。
カルテと連動したワンクリックのLINE配信で、食事・睡眠・ケアの提案を施術後に届けています。AIが会話から抽出したアドバイスがメッセージになるので、5秒で配信できて、しかも内容はその方だけのもの。ハートフルなメッセージとして受け取っていただけて、返信率は40%を超えました。リピートや物販の売上にもつながっています。
アーユルヴェーダの専門性を損なわずに、
体験価値をデータ資産に変える。
経営の視点では、どんな変化がありましたか。
顧客分析や報告書作成が、AIアシスタントに質問するだけで完了するようになりました。マネジメント向けの資料は3分で出てきます。会話データを分析するだけで、施策の優先度を即座に判断できるようになったのは、経営者として大きいですね。
ITツールの定着に不安はありませんでしたか。
正直、ありました。ITツールに不慣れなスタッフが多かったので。でも運用は「顧客来店ボタン」を押して「録音ON」、この2ステップだけ。結果として定着率は100%です。
もうひとつ、Speriaの開発姿勢に触れておきたくて。ドーシャ(アーユルヴェーダの体質分類)のタグを追加してほしい、といった現場の要望を、平均3日以内にプロダクトへ反映してくれるんです。この"現場ファースト"の姿勢が、定着と信頼につながっていると思います。
アーユルヴェーダの専門性を損なわずに、AIカルテで体験価値を資産化し、スタッフの負担を減らす取り組みを進行中です。会話データを分析するだけで、施策の優先度を即座に判断できるようになりました。
スワル株式会社 代表取締役 石古 暢良 様

